リミックス方法論:奇妙礼太郎トラベルスイング楽団「機嫌直しておくれよ」リミックス盤

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団「機嫌直しておくれよ」のリミックス盤リリースしました。もう売り切れになっちゃって店頭在庫くらいしか残っていないみたいです。ありがとうございます。リンク先で試聴してもらえばわかりますが「機嫌なおしておくれよ」はオリジナル曲がスウィングジャズなのをレゲエにリミックスしています。
自分がリミックスするときに気をつけることは、原曲の良さをオリジナルとは別の視点から照らし出すことと素材の良さを活かすことです。ボーカル曲だったら極力ボーカルはちゃんと使うし、オリジナル知っている人がリミックスを聞いて「あ、これ○○のリミックスだ」とわかるように心がけています。逆に原型とどめない位加工したりとか、原曲を引き延ばしただけとかはあまり好きじゃありません。オリジナルと無関係なミニマルトラックが延々続いてブレイクだけ申し訳程度にオリジナルのサビが入るリミックスとか、スネア一発しか使ってないとかたまに聞きますが、そういうのは自分の曲でやれば…とか思ってしまいます。自分が理想としているリミックスは、オリジナルとは全然違う音なんだけどオリジナルの良さは残っていて、聞いた人が「この曲こういうバージョンもかっこいいね〜」っていえるような、そんなリミックスです。
で、「この機嫌なおしておくれよ」リミックスの制作当初はいろいろビートを入れてみたりしたけどなんだかうまくはまらない。BPMも確か200位だったので半分の100にしてあれこれしてもなんかいまいち。丁度そんな煮詰まってたタイミングにdachamboのベースのエージさんから「スタジオ遊びに行くよ〜」と連絡があったのでベースを弾いてもらうことになりました。
エージさんが来てどんなベースを弾いてもらおうか、という話になったときにオリジナル曲のピアノのトラックを聞いていたらこれはもしかしたらレゲエになるかもと思ったので「レゲエで弾けますか?」とお願い。その時のトラックは、ドラム以外は原曲のまま、ドラムも仮でいれたあまりいけてないループで、完成型が全く見えておらずお世辞にもやりやすい状態ではなかったと思う。エージさんの指示でレゲエっぽいノリをだすためにBPMを80位まで落としてベースREC。エージさんはバカテクなので初見でほとんど弾きこなしていました。録ったテイク数も多分3テイク位でDachamboのときもそうらしいです。タイミング修正とかもしていません。エージさんのベースは下手にグリッドにあわせるとグルーブが死んでしまうのです(僕はこういう現象を「音の神様に怒られる」と呼んでいます)
ベースをRECした後、打ち込みで生っぽいドラムを制作。ドラムとベースができあがれば仕上がりが見えてきてほっと一息。その後はYogurtとディレイやらあれやこれやエフェクトかけて完成、でございます。あとこの曲のギターは自分が弾いていますが下手なので音量はかなり下げています…笑
この曲は自分の理想に近いリミックスができたと思います。かなりの部分エージさんのおかげです。プロデューサーの皆さん、ベース頼むならエージさんがオススメですよ!
裏面の「カリフォルニア」もARATAくんが素晴らしいギターを弾いてくれたおかげでナイスなしんみりトラックに仕上がっています。このREMIX盤、まだ手に入れてない人はレコ屋にWANTして再プレスしてくれるのを待ちましょう!笑